フリーランスエンジニアは何歳まで出来る?人生設計の方法
少なくともサラリーマンの場合、近代の日本、特に戦後の日本においてはリタイア、つまり定年は65歳とほぼ相場が決まっていました。
しかし、フリーランスは個人事業主なのでそのような規定はありません。自分自身のライフプランに合わせて決定する事が出来ます。
出来ればの話ですが、一般的に働き盛りと言われる40歳でリタイアしても良いですし、同じく個人事業主である声優や俳優と同じように生涯現役にしてもかまいません。(近年は金銭的な理由から不本意な形で生涯現役にならざるを得ない人も増えていますし、それはこれからも増えるでしょうが。)
とはいえ、これはあくまで法律の規定の話です。今回は現実的にフリーランスのエンジニアが何歳まで出来るかを解説していきたいと思います。
フリーランスのエンジニアも生涯現役は可能です。
まず理屈上ですが、フリーランスのエンジニアは生涯現役が出来ます。
プロスポーツ選手のように身体能力、つまり年齢に大きく依存する能力を使う仕事は少ないですし、指導者やマネーゃーなどへの門戸もプロスポーツ選手とは比べ物にならない程広いです。
また、フリーランスのエンジニアと言っても別の回で紹介したように働き方は様々で、会社員と同じようにどこかの会社に出勤する場合もあれば、フルリモートのクラウドワーカーなどという働き方も可能なので、収入を貰える機会が比較的多いです。
よって、フリーランスのエンジニアも生涯現役が可能です。理屈上はパソコンの前で老衰で死ぬことも出来る訳です。(かっこいい死に様かどうかは個人の感覚にお任せします。)
とはいえ問題点が無い訳では無い
とはいえ、生涯現役にあたって問題点がないかと言われればそれは怪しいです。
老齢になると若いころに考えられなかったような問題が多く起こる物です。心身の衰えだけでなく、家庭環境の変化なども影響します。
この章では、生涯現役でのフリーランスエンジニアをする際の注意点とその解決法について纏めます。
勉強がしにくくなる
フリーランスに限らずですが、ITエンジニアは勉強が不可欠ですし、そもそも人生において勉強は不可欠ですが、老齢になると勉強の効率も時間も減少する可能性が高いです。
考えてみれば高校生の頃、特に運動部に所属していた頃の体力は凄まじいです。朝の5時か6時ごろに起きて、7時間近く拘束され、その後3時間も4時間も運動をし続ける訳です。また朝練がある部活ですと朝起きる時間はもっと早いですし、朝練も1時間から2時間はすると思います。
授業中は昼寝をしていたという人も多いかもしれませんが、20代でも同じ生活をこなすのは少々きついのではないでしょうか?(だからこそ高校や中学の先生は今思うと一部を除いて凄い人だったと尊敬の念がやまないわけですが…。)
つまり、人間の心身は衰えるのです。60代にもなれば、更に衰えは進むでしょう。記憶力も体力も衰えるので、勉強の質も量は嫌でも下がります。
また家族サービスをしたり、孫の相手をしたりとプライベートの用事も増えるでしょう。
何れにしても自らの知識量が収入と比例するフリーランスエンジニアにとって頭の痛い問題です。
技術革新
ITは技術革新が多く、しかも革新のスピードが加速度的に早まっているので、毎日の情報収集や自己研鑽が不可欠です。
でないと自分の持っている技術がどんどん古い物になり、需要の無いエンジニアとなり、収入はダダ下がりです。
要件定義等、業務経験が重要視される工程ならばそこまで大きな影響は受けないでしょうが、一生プログラミングでご飯を食べていこうと思っていた人にとっては大きな問題です。(とはいえ、そういう類の人は大体仕事でのプログラミングも勉強でのプログラミングもあまり苦に感じていない人が多い印象です。)
唯でさえ勉強の質も時間も下がるのに、更なる問題が浮上した格好です。
そして未来を予想するのはとても困難なので、ある程度時間が経過してみないとわかりません。(これについてはどの業界も多かれ少なかれ同じ問題ではありますが。)
ではどうする?
対応策としては単純で、若いころから健康的な生活をし、自己研鑽するしかないでしょう。
若いころから健康的な生活を心掛けていれば体の老化を遅くさせることが出来ますし、体調の悪化もかなり防げます。
また、勉強も続けていく事で老齢になっても苦にならず、勉強をしていく事で頭を使うのでまたボケもかなりの確率で防げます。
そして普段から経済誌やITの技術誌、新聞などを読むことによって、最新の技術動向をより早く知れますし、元の知識量が多くなるので勉強が楽になります。
また、キャリアの戦略を長期的な目線で構築する事も有効です。そもそも一生同じ仕事をする、というのは時代遅れな発想と言っても過言ではありません。自らの経験や時代の流れに合わせて仕事も多かれ少なかれ変えるべきです。
プロジェクトのマネージャー等の管理職は、技術的な話もある程度できなければなりませんが、どちらかと言うと、現場での経験の長さ、豊富さが重視されます。
また、長年の経験を活かして経営者になる事も一つの手でしょう。
老齢になった時にどんな仕事をしたいかを早いうちに決め、(勿論状況により柔軟に変更をし)若いころから準備をする事が出来れば、フリーランスエンジニアは生涯現役で仕事を出来ますし、一生豊かな且つ元気で若々しい生活を営む事が出来ます。
では早期リタイアは可能?
正直、フリーランスのエンジニアで早期リタイアは少々無理があります。
フリーランスのエンジニアの年収はどんなに高くても3000万程です。一流どころであればこの10倍稼ぐプロ野球選手でも40歳でリタイアできていない事から見ても、フリーランスのエンジニアが早期リタイアする事は難しいでしょう。
ただし、エンジニア時代に正しいリテラシーを身に着け、日々節制をして余ったお金を適切な事業や株に投資をしていた場合はこの限りではありません。また、会社の経営も並行して行った場合等も同様です。
ただ、ITの事を勉強しながら投資について勉強するというのは並大抵の事ではありません。年収3000万円と簡単に言いましたが、そもそもそこまで行くのに20年は最低かかると思いますし、実力以外にも運等の要素も必要になります。
とはいえ、会社員の時には考えられないくらいの高収入を目指せるのもフリーランスのITエンジニアの大きなメリットでもあります。
またある程度稼ぎ終わり、尚且つそこまで出費の必要が無くなった場合は、フルリモートで尚且つ週2,3回だけ働く、というような言わば「プチ早期リタイア」に関しては大いに可能性はあるでしょう。
腕やスキルがあれば労働条件や働き方をかなり柔軟に出来、会社との交渉も有利に進められることがこの業界の良い所です。
結論
フリーランスのエンジニアは、65歳まで働いた方が良いですが、それ以上の年齢になっても働ける、という位に考えた方がよさそうです。
ただ、早期リタイアが無理でもいつでも引退出来るように準備しておくことは必要ですし、やろうと思えばそれが出来るのがフリーランスエンジニアのメリットの1つです。
長期積み立て投資やオフショア投資、プライベートバンク等は使えるうちから積極的に活用すべきでしょう。我々フリーランスエンジニアは自分と、いれば家族の老後の面倒は自分で見なければなりません。年金だけを宛にするのは非常にリスキーと言えます。
ここから考えると、早期リタイアは難しくとも、フリーランスのITエンジニアは一般的な会社員から見ると、リタイア前で見てもリタイア後で見てもかなり余裕のある、豊かな生活が出来ると言えます。