フリーランスエンジニアが考える、30年後も需要のある技術
100年後の未来を想像するのは難しいです。しかし、30年後であればそれなりに想像が出来ます。
そしてITに限らず、金属の加工業や機会を製作している技術者を悩ませている問題が、今取得している、若しくはこれから取得しようと考えている技術がこれからも需要があるかどうか、という事でしょう。
この予想や考えを的中させるのは、エンジニアにとって最早死活問題と言っても過言ではありません。どうせ当たらないなら、なんて開き直っていては今後食べていく事が出来なくなります。
そこで今回は30年後も需要のあると思われる技術、若しくは技術領域について解説したいと思います。
クラウド関連
おそらくこれからも安定して需要のある技術領域の筆頭と言っても過言ではないでしょう。
徹底的なコストカットと共に高い可用性を実現できるクラウドはこれからも企業からの需要が安定して見込めます。そして近年は高いセキュリティも実現できるようになり、より厳しいコンプライアンスにも耐えうります。
またクラウドは導入したらそれで終わり、と言う物ではなく、セキュリティやコンポーネントの構成を考える必要があります。そしてこの知識は一朝一夕で身につくものではなく、豊富な業務経験と自己研鑽が必要になります。
書籍での勉強も可能とはいえJava等のプログラミング言語と違い、中々自宅で実践的な訓練をするのが難しいのも、需要を高めている原因の1つです。(だからと言ってJava等のプログラミング言語が簡単に取得できるわけではないです。)
セキュリティ
こちらも今後数十年にわたって高い需要の見込める技術領域です。恐らく余程のことが無ければこちらは需要が今よりもなくなるなどと言う事はありません。
サイバー犯罪の手口は高レベルな手口から低レベルな手口まで様々な方法がありますが、どの方法も非常に良く使われます。
勿論、毎日自己研鑽する事は重要ですが、セキュリティに関する技術は一定のレベルまで到達すれば企業から引く手あまたの存在になれるでしょう。
またとても皮肉な事ですが、初歩的なサイバー犯罪対策の方法も必要性も理解してない人がこのご時世、日本にはまだまだ多いのも、セキュリティ関係のエンジニアの需要の高さに結び付いている側面もあります。
DX
このコロナ禍でDX、つまりデジタルトランスフォーメーションが注目を集めていますが、これは一過性の物ではありません。
コロナ禍の前から注目度は高かったですし、この分野に関する日本の遅れも以前から度々指摘されていました。
DXの特徴として、利便性の向上とコストダウンの両方を一気に実現する事が出来ます。
部署間、支店間で書類などを郵送し合わなくても売り上げや現在の経営状況だけでなく、研修内容まで共有する事が出来、お金と時間の両方を節約できます。
無駄なコストは徹底的に圧縮し(これは人件費さえも含みます)、本業に多くのお金と時間を投資するのはビジネスの王道です。
このビジネスの王道までの道のりを短縮してくれるのがDXです。
IoT
このIoTもDXに負けず劣らず、注目度の高い技術領域です。
IoTは物理的なモノがインターネットにつながり、利便性を高める、という概念です。
一昔前、(もしかしたら今も販売されているかもしれません。家電には疎いので、この辺はご容赦ください。)ポットからお湯を注ぐと携帯にメールが送られる、という商品がありましたが、これもIoTに該当します。
勿論コストの圧縮にも大いに貢献しています。ポットの例からすると、いちいち親元に行って安否確認する手間が省ける、という訳です。
ネットワーク
先程のIoTにせよDXにせよ、様々な製品に欠かせない物が、ネットワークです。
端末からサーバーまで、どうやって情報を届け、処理した結果をどうやって届けるかという問題にはネットワークが多いに関わります。
またここにセキュリティの知識も合わされば鬼に金棒です。
安全かつ迅速に大量の情報が届けられる、という極めて理想的な状況を企業に提供させる事が出来ます。
データベース
近年、Amazon等がマネージドなデータベースのサービスを発表している事等から、データベース関連の仕事は少なくなると言われています。
確かにデータベースに直接関連する仕事は少なくなるかもしれませんが、高度なデータベースの知識や技術は相変わらず需要が高いです。
例えば、データベースへのコネクションを専用に作った方が良いか、それとも複数作っていくつかのクライアント間で使いまわした方が良いか、等の構成はデータベース専任のエンジニアがいないと中々わかりません。
どのようなデータの拾い方をすればメモリを効率的に使用できるか、等も処理速度を考える上で大切な問題です。
また、どのようにテーブルを設計すれば矛盾や保守コストが少なくなるか、等の問題もきちんと体系的に学問として学ばなければ解決が難しい問題です。
データベースに関しては、確かに低レベルな仕事はどんどん無くなってきていますが、高レベルな仕事、つまり高収入の仕事をこなすためには避けられない領域です。
上流工程の技術
上流工程は多少プログラミング言語が変わったくらいの変化ではやる事がそこまで変わらないのが良い所です。
コミュニケーション能力や業務経験等、独学では取得がなかなか厳しい能力が必要となる分、これからも高い需要が期待できます。
要件定義
要件定義は、顧客の要望をどのようにしてシステムで実現するかを考えるという役目です。つまり、システムと顧客の橋渡しの仕事をするわけです。
営業っぽい仕事と思う人も多いかもしれませんが、営業が求めるスキルにプラスして技術的な話がきちんと分からないと対応が難しい仕事です。
そしてドキュメントに万人に通じる言葉で残す事も求められる仕事なので、営業と同じかそれ以上に激務でもある仕事です。
ただ、フリーランスに限らず会社員でもこの仕事を目標にしている人は多く、後述するマネージメントの仕事と共にITエンジニアの花形と言える仕事です。
マネージメント
巷の大企業では中間管理職の再就職は年齢もそこそこ行っているパターンが多いので難しいと言われていますが、IT業界では話が違います。
IT業界ではプロジェクトマネ―シャーやプロジェクトリーダーなどのマネージメントを行う中間管理職は人手が足りておらず、優秀な管理職は引く手あまたです。
マネージメントは豊富な実務経験と共に業務や技術に対する深い知識、コミュニケーション能力など、必要な能力が多岐に渡り、これをこなせる人材はそう多くありません。
ここまで行き着くのには激務をこなし、加えて数々の失敗も難題や経験を経験しなければなりませんので、ストレス耐性や精神的な安定性も必要不可欠です。
近年大企業を悩ませている、所謂「働かないおじさん」では到底務まらない役割なのです。
IT企業が求める需要とはどういうなのか?
企業が情報投資、つまり社内システムやアプリケーションに投資をする、と言うのは如何に支出を減らせるか、如何に早く正確な仕事を生み出せるかに重点を置いています。
つまり、時間やお金、リスクなどの「コスト」を減らすのがITエンジニアの役割と言えます。
難解なコードを書く事でも、独創的な技術を生み出す事でもない、という事は肝に銘じておきましょう。(簡単に取得できない、難解な技術を習得している、という側面もあるにはあります。)
どんなに抵抗しても時代の流れには逆らえない
残念ながら個人がどんなに可能性を感じてようが魅力に感じていようが、時代の流れには逆らえないのが世の常です。
確かにマウスカーソルは元々没になった企画から誕生した技術ですが、これはかなり稀な例です。
フリーランスでも会社員でも、時代にあった技術習得の計画を立てましょう。技術の取得だけでなく、どの技術を取得すればよいか、と言う情報自体にも投資を惜しむべきではありません。投資は額の大きさだけでなく、投資する物事態にもこだわらなくてはいけません。