フリーランスエンジニアになりたい人の適切な相談相手
近年フリーランスのエンジニアがトレンドになっているので、キャリアの1つとしてリーランスのエンジニアを選択肢に入れている人も多いと思います。
現時点でITエンジニアとして生計を立てられている人以外にも、他業種で生計を立てている人や大学生までフリーランスのITエンジニアになりたいと考えている人が急増しています。
しかし、実際に仕事を取れるかどうかは自らのスキル以外にも様々な要因があるので、自分だけではよくわからない事が多いです。
そこで今回は、フリーランスエンジニアになりたいと思った場合、誰に相談すればよいか?という事を紹介していきたいと思います。
相談してはいけない人
相談すべき相手の前に相談してはいけない人を紹介します。
折角仕入れた情報も、デメリットばかり強調されたり、古くからの価値観で叩き潰されたりするとやる気を失うだけでなく正しい判断が出来なくなるからです。
両親
残念ながら我々の両親の世代は高度経済成長、若しくはバブル期で育ったので、安定志向の人が多いです。
給料が右肩上がりの時代だったため、仕事内容や自己研鑽はどうでも良く、兎に角安定していれば良い、という志向の人が多いです。つまり、フリーランスとは真逆の価値観の人が多いので、相談するだけ無駄です。どうせ反対されます。
残念ながら一昔前の安定志向ではこれからの時代、豊かな生活を送ることは出来ません。安定した環境で尚且つ自己研鑽もしっかり出来る、そんな理想的な行動がとれる人間は千人に1人もいません。人間とはきわめて怠惰な生き物です。
同じ個人事業主でもお店を開く、ビルを買って起業する等の理由で大きな借金をするならば家族への相談や了承は必要不可欠です。もし連帯保証人にした場合、迷惑をかける事もあり得ますし、そもそもこのご時世、そうでもしないと銀行は簡単にお金を貸してくれないでしょう。
しかし、フリーランスのエンジニアは基本的に元手無しで始められる個人事業です。おまけに腕があれば基本的に食いっぱぐれる事はありません。両親に関しては事後報告で全くかまいません。
脱税した上に追徴金が払えない、等の極めて特殊な状況に陥らない限り、フリーランスのエンジニアの場合、失敗しても両親等の周囲の人間に迷惑はかけません。
会社の同僚・上司
会社の同僚、という事は今までフリーランスの事等考えたことが無い、そして経験も無い人がだ多数です。また、上司に至っては退職者が出ると査定にも関わるのでフェアな意見を出してくれる可能性は極めて低いです。
未だにピンときていない人が沢山いますが、会社は会社の事しか考えません。社員の人生など極めてどうでも良い問題なのです。これはベンチャー企業だろうが伝統ある大企業でも同じ事です。
その環境で漠然と過ごしている人にフリーランス、個人事業主の事を話して有益な情報を得られるでしょうか?
また、会社員の中でもどんどん出世して自分の名声と給与を高め、会社をもっと大きくしたい人もいます。(これ自体は非常に良い事で、フリーランスの私から見ても推奨したいくらいです。)
そのような人は人格的にも一定以上の人が多いので一見すると相談相手になりそうですが、一番相談相手としては避けるべきです。
何故なら自分が出世した時、使える奴は自分の傘下に置き、使えない奴は出ていってほしいと考えるからです。
よって、スキルの低い人には出ていくように、フリーランスでも充分にやっていけるだけの高いスキルを持った人間には出ていかないよう、上手く根回ししてくるでしょう。
相談すべき人
一通り相談すべきでない相手がわかったので、続いて相談すべき相手を紹介したいと思います。
建設的な意見や有益な情報をもたらしてくれる以外にも、相談しておかないと道義的にまずい、という人物も含んできます。
配偶者
有益な情報が得られるかどうかは別として、配偶者にはフリーランスのエンジニアになる際は必ず相談すべきです。彼氏や彼女はまだしも婚約者にも相談すべきです。
特にあなたが男性の場合、そして年齢が若ければ若いほど相談すべきです。
何故ならこのブログで何度も解説しているように、フリーランスと会社員では社会的な信用度が全く違うからです。
これから住宅ローンを組もうと考えているなら、どうするか?収入は会社員時代とどう違うのか?税金はどの位マイナスされるのか?いざという時食べていけるだけの貯金はあるのか?
以上の問題は自分1人で抱え込むべきでない問題です。対応を誤れば家庭が崩壊してしまいます。
特にお子さんがおり、まだ独り立ちしていない場合はよく配偶者の型と相談すべきです。まだまだお金のかかるイベントが沢山待っています。
かなり踏み込んだ内容で綿密な話し合いが必要ですが、守るべきものがあるからこそです。何かあってからでは遅いのです。
既にフリーランスエンジニアとしての経験が豊富な人
言うまでも無く、既にフリーランスエンジニアとしての経験が豊富な人は相談相手にぴったりです。
ただし、最近はフリーランスエンジニアが増えてきており、実力も業務経験も怪しい人が多くいるので注意が必要です。
大体目安としてはフリーランスエンジニアの歴が二年以上あり、尚且つ要件定義等の上流工程の経験がある事が最低条件でしょう。出来れば収入も最低500万以上ある人が良いです。(収入を聞くのはかなり気を使うので、聞くことが出来るかわかりませんが。)
経営者
経営者、それもITの経営者も、フリーランスのエンジニアになる際の極めて理想的な相談相手です。
SESでもSIerの会社の経営者でも構いません。ITの会社で基本的にどんな会社でも良いです。
SESならば自分の会社で面倒を見ている他のSEとの比較が出来ますし、SIerの経営者ならばSESの会社のSEを受け入れる側なので、どちらも理想的な相談相手です。
ITでなくても、会社の経営をされている方であれば採用面接などの経験が豊富ですし、人と成りを見極める能力が磨かれているので、ヒューマンスキルの部分を見て貰え、相談相手として悪くないです。
相談の際に必要な情報
どんなに良い相談相手を見つけたとしても、必要な情報が無ければアドバイスの仕様がありません。
ここでは、フリーランスのエンジニアになる際の相談をする前に整理すべき情報を纏めてみます。
スキルセット
当然の事ながら、自分に何が出来るかをきちんと伝えなければフリーランスでやっていけるかどうかなどわかるわけがありません。
習得しているプログラミング言語やOSコマンド等のスキルや資格、担当経験のある工程と年数は最低限必要です。
そして出来ればどのような現場でそれぞれどの位経験を積んだのか、と言うようなデータもあると尚良いです。
将来像
スキル、つまり過去の積み上げだけでなく将来像と言う未来への見通しも伝えるべきです。
どんな人生を送りたいか、どんなエンジニアになり、どんな働き方をしたいかも重要な情報です。
その将来像があまりにもフリーランスの価値観と異なる物だった場合はフリーランスエンジニアになるのを辞めた方が良い、と言うことになります。
適切な相談相手に相談するのが第一歩
何事もそうですが、適切な相談相手を見つけることが第一歩です。
意見を否定ばかりする人は駄目ですが、だからと言って何を言っても肯定してくるイエスマンも考え物です。
駄目な物には駄目、良い物には良い物と言え、尚且つ正しい情報と基準を持つ人に相談しなくてはいけません。
フリーランスは誰しも向いているわけではありませんが、向いている人にとってはこれ以上ないくらい楽しく、充実しています。
それだけに相談相手は慎重に選びましょう。