フリーランスエンジニアになるメリット
2021/09/05
近年ITの需要が高まっているという事もあり、エンジニアそれもフリーランスのエンジニアになる、というキャリアプランが流行しています。
幾つものプログラミングスクールやSES企業がフリーランスのエンジニアになる利点を謳っており、実際に年収が上がった、自由な働き方が出来るようになった、等の声も聞かれます。
ただ同時に、フリーランスというのは一種の自営業になるので、収入が不安定になる、社会的な信用が低下する、といったリスクがあるので、誰にでもお勧めできる訳ではありません。
この記事ではフリーランスのエンジニアになる際のメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。
そもそもフリーランスの年収は?
フリーランスの手取りの年収は500万から800万が相場と言われています。
日本人の一般的な年収から見るととても高額ではありますが、フリーランスになれば必ず上記の年収が保証されるわけではありません。
フリーランスという生き方の知名度が上がったため、ロースキルの状態でフリーランスのエンジニアをやる人も多く、実際としては年収が300万か400程度、というフリーランスエンジニアも少なくありません。
フリーランスになるメリット
フリーランスのエンジニアになると収入が上がる、税金が安くなるなどのメリットが沢山あります。
他にもフリーランスになるメリットは沢山あるので、それを1つ1つ紹介していきます。
収入が会社員時代に比べて上がる
フリーランスのエンジニアになると手取りの収入が上がる、というメリットがあります。
会社員の場合ですと、入社したての時の研修費や他の若手社員を育てる時の研修費等が給料から差し引かれてしまいます。
更にSESの企業に勤めていた人の場合ですと、上記の費用に加えて案件が取れずに社内で待機になっているエンジニアの分の人件費まで引かれてしまいます。
フリーランスのエンジニアになれば上記の費用が全て無くなるので、手取りの収入が純粋に上がります。
給料が上がりやすい
フリーランスのエンジニアになると純粋な自分の実力や経験によって単価が決まるので給料が上がりやすい、というメリットがあります。
まだまだ年功序列で給与を決めている会社は多いですが、フリーランスになれば年齢に関係なく、実力で給料を上げる事が出来ます。
会社員のように資格手当等はつきませんが、資格の有無によって単価を上げる事は可能ですし、資格手当とは比べられない程の額を上げる事が出来ます。
税金を安くできる
会社員の時は節税などできないので、自分の手取りの収入に応じた税金を満額まで支払っています。
フリーランスになると、勉強に使った書籍や資格の代金は勿論、電気代や家賃、果ては飲食代や交通費までも経費に計上できるので、収入から払う税金の割合を低く出来ます。
副業が出来る
会社に勤めていると、副業は基本的に禁止ですし、許可している場合でも申請や社内評価に応じた審査が必要になる場合が多いです。
それがフリーランスになれば、確定申告さえしていれば副業はやりたい放題になります。
特にフリーランスのエンジニアの場合、副業でもプログラミングや講師の仕事をする事で本業にも役立てます。
副業を始める→その副業で経験を上げ、本業でも収入アップ→本業での経験を評価され、副業での収入もアップ
という良いスパイラルを発生させる事が出来ます。
またフリーランスのシステムエンジニアをやりながら、SESの企業やアプリ開発の会社を経営化している人もいますので、フリーランスになればかなり柔軟な働き方が出来ます。
仕事や自己研鑽へのモチベーションが上がる
もし給料が上がりもしなければ下がりもしない、という環境で仕事をしていたら、仕事へのモチベーションは当然上がりません。
(給料が下がるだけ、という環境もそれはそれでモチベーションは上がりませんが。)
フリーランスになれば給料は上がり放題ですし、逆に言うと簡単に下がりもする環境なので、仕事や自己研鑽へのモチベーションが上がります。
人間関係に余計な心配をしなくても良い
いまだに意味のない、誰も楽しくない飲み会や一部の人しか楽しくない飲み会を開催する会社は少なくありません。
それだけならまだしも、それに耐えきるのが社会人の美徳として認識している人も少なくないのが現状です。
フリーランスのシステムエンジニアになればそのような飲み会は無いですし、上司の太鼓持ちをしていた時間を自己研鑽に当てられ、更なるスキルと収入のアップにつなげる事も出来ます。
フリーランスになるデメリット
フリーランスになれば収入を増やせて支出を減らせるという、夢のような話をここまでしましたが、フリーランスになる事にはデメリットもあります。
そのデメリットを紹介します。
金融機関からの信用が落ちる
フリーランスは良くも悪くも安定した収入が期待できない職業なので、金融機関から借金をしようと思っても中々審査が通りません。
個人ローンであればまだしも、住宅ローンのような額の大きい借金になると、借り入れはかなり難しいです。
確定申告で黒字の額を大きくする、という方法で信用を取り返す事も出来ますが、それは税金という名の支出の額を上げることにもなります。
また、エンジニアの単価によっては不動産だけでなくクレジットカードの発行やアパートの賃貸契約でさえ難しくなります。
そしてフリーランスの場合、賃貸契約の契約更新料や借金の金利も高くなる場合が多いです。
収入が不安定
何度か前述したようにフリーランスのエンジニアは収入が不安定なので、給料を上げやすいのと同時に、下がりやすくもあります。
当然ながら案件を獲得出来なければアルバイトなどをしない限り、お金は一円も貰えません。
景気の影響も受けやすいですし、保持している技術の流行り廃り等によっても収入は簡単に減ります。
医者や弁護士の様な資格ならまだしも、IT関連の資格では収入を保証するまでには至りません。
男性の場合、収入が不安定な事を理由に婚約者の親から難色を示される可能性も否定できません。
全てを自分でやらなければならない
もし案件の紹介会社を通さない場合、仕事は全て自分で見つけなくてはいけませんし、単価請求のための雑務も自分でこなす必要があります。
もし会社を通したとしても、単価の何%かは会社に支払わなければいけません。
これは税金の支払いや申請等も同様で、スケジュール管理も含めて全て自分でやるか、それともお金を払って人にやってもらうかのどっちかになります。
案件獲得の手段、必要な人脈
獲得までの経緯はどうあれ、案件を獲得をして仕事をしないとフリーランスのシステムエンジニアは収入を得ることが出来ません。
なので、案件獲得の方法をこの章では紹介していきます。
クラウドソーシングサイトに登録する
案件の数や種類に関してはクラウドソーシングサイトの、例えばクラウドワークスやランサーズは頼りになる存在です。
しかし、自らの保有スキルにマッチする案件がどれほどあるかは不透明ですし、そもそもある程度のスキルや経験が無いと契約成立は難しいです。
またシステム利用料等もかかるので、副業を探すくらいがベターな使い方です。
会社に登録する
フリーランスのシステムエンジニアを専門に案件を仲介・紹介してくれる会社が多くあるので、それを利用する手もあります。
このような会社は営業のノウハウを持っていますし、案件の情報も多いので、より自分のスキルやキャリアプランに合った案件を選ぶ事が可能です。
ロースキルエンジニア向けの案件の情報やツテを持っている会社も多くあるので、スキルレベルに関係なくお勧めできます。
必要な人脈とは
フリーランスのシステムエンジニアに必要な人脈は、経営者もしくは同じフリーランスのシステムエンジニアの知り合いです。
経営者でしたら、何らかのシステムを求めている、もしくはその経営者の知り合いがシステムを欲しがっていたり、案件を仲介・紹介してくれる会社の社長さんと繋がりがある可能性があります。
フリーランスのシステムエンジニアでしたら、実情を細かく聞けますし、自分がお世話になっている案件を仲介・紹介してくれる会社を紹介してくれる可能性もあります。
また、経営者もしくは同じフリーランスのシステムエンジニアと繋がっておくと、税務処理を任せる税理士も紹介してくれる可能性があります。
必要な人脈を書くときするには
フリーランスのエンジニアに必要な人脈を獲得するには、起業セミナーやIT関連のセミナーや交流会に積極的に行くべきです。
セミナーや交流会に行くと金儲けの事しか頭にない輩もいますが、まっとうにビジネスをしている人もたくさんいます。
まっとうにビジネスをしている人には、こちらから積極的に話を聞きに行くと良いです。
詐欺師を確実に見破る方法はありませんが、IT技術の現在のトレンドやIT技術そのものの話について積極的且つ的確に話せる人でなければ、話を聞きに行く価値はありません。
フリーランスのシステムエンジニアを少しでも安定して続けるには
不安定こそフリーランスの本質とも言えますが、フリーランスのシステムエンジニアで安定した収入を確保する方法もあります。
資産を予め作っておく
前述した通り、フリーランスになると金融機関からの借り入れが難しくなるので、不動産などの大きな買い物は事前に済ませ、資産を作っておくべきです。
不動産を持っておけば家賃収入等も期待できますし、株や債券を持っておけば配当金や優待券を貰え、生活の足しに出来ます。
勿論、いざとなったら売却して現金化する事も可能です。
情報収集とその精査を毎日する
特にIT業界は日々技術革新が起こっており、つい最近まで流行っていた技術が今では廃れている、という事はよくある事です。
プログラミング言語で言えば、一時は隆盛を誇ったCOBOLもすっかり廃れて今では改修の案件くらいしか無い状況です。
一生懸命勉強していた技術が習得したころには廃れていた、等ということが無いように日々の情報収集は怠るべきではないです。
またネットでお金持ちになる方法を検索したら沢山出てきますが、実際にお金持ちになっている人はあまりいない事から言えるように、情報という物は玉石混合です。
直ぐに鵜吞みにせず、複数の情報を見比べたり論理的に考えるなどして、取り入れる情報を篩にかけることも重要です。
日々を健康的に過ごす
フリーランスの収入は不安定になりやすく、体を壊して仕事が出来ない、という期間を少しでも短くするためにも、日々健康的に過ごすことが大事です。
毎日必ず運動をする、野菜を積極的にとる等、健康のために出来ることは非常に多いです。
また、健康になる事で仕事も捗りますし、見た目も良くなって自分に自信がつきます。
自己研鑽をする
フリーランスのエンジニアを安定して続けるために最も重要な事が自己研鑽です。
需要のある技術についての資格を取ったり、知識を蓄えることで安定して高収入の案件を貰う事が出来ます。
また技術以外に関しても、経営の事を学んだり体験する事によって経営者という道も開けますし、金融関係の知識を仕入れることで、更に所得を上げたり資産を構築する事が可能です。
お金の使いどころを間違えない
フリーランスに限らず会社員もそうですが、お金の使いどころは間違えてはいけません。
特に健康と自己研鑽に関しての支出は、絶対に惜しんではいけません。
そして人間は誰しも気分転換が必要ですが、本当に心から楽しめる物以外はなるべく支出を控えるべきです。
いつでも出来る物、例えばゲームや晩酌、キャバクラやホスト等にお金をかけるのは賢いとは言えません。